← 章一覧英語長文 完全演習 ── 80 / 80
教育・人生

第80章 卒業式の朝

Graduation Morning: A Quiet Beginning

READING本文

On the morning of my graduation, I sat on my bedroom floor and tried to recall every important moment of the past four years. Some memories were so precious I had almost forgotten how to hold them.

My mother knocked once and gave me a long embrace. I felt grateful in a way I could not yet describe — as though I were saying goodbye to a part of myself. At the ceremony, the headmaster's speech began to honor each graduate by name. His voice was noble and unhurried, and he reminded us of the small dreams we once dared to celebrate.

To achieve so much in only four short years had not always seemed possible. I paused to reflect on how often I had nearly let my ambitions fade into ordinary noise. Across the auditorium, I caught my friend's eye. He whispered something gentle; we exchanged a small smile that we will both cherish for many years to come. I did not pretend the day was easy. There was a quiet sigh in every farewell, and at lunch I needed a long pause before I could speak about the future at all. Yet a kind of genuine joy was also aroused. I had dedicated long nights to my studies; today's calm celebration was a remarkable, simple reward.

When the gowns came off and the cameras were put away, my classmates and I scattered. We will carry, each in our own way, the noble honor of having tried our best. Graduation, in the end, is only one quiet beginning of a long, still-unwritten life.

VOCABULARY重要語彙 ── 本文に登場する頻出語(20語)

graduatev.卒業する
recallv.〜を思い出す
embracen.抱擁
gratefuladj.感謝している
preciousadj.貴重な
cherishv.〜を大切にする
nobleadj.高貴な
honorv.〜を讃える
dedicatev.〜を捧げる
celebratev.〜を祝う
achievev.〜を達成する
fadev.薄れる
pausev.立ち止まる
sighn.溜息
whisperv.ささやく
pretendv.〜のふりをする
reflectv.省みる
arousev.〜を呼び起こす
genuineadj.本物の
remarkableadj.すばらしい、目を見張る

QUESTIONS設問 ── 自力で解いてから解答例を開く

問1  内容真偽 本文と一致するものにはT、しないものにはF を付けよ。 (1) 卒業式の朝、私は4 年間の大切な瞬間を思い出そうとした。 (2) 母は私を一度ノックして、長く抱きしめてくれた。 (3) 卒業式は私にとって、いかなる溜息もない、まったく容易な日だった、と本文は述べている。 (4) 卒業はまだ書かれていない長い人生の静かな始まりにすぎない、と本文は述べている。 問2  下線部和訳 次の英文を和訳せよ。 “We will carry, each in our own way, the noble honor of having tried our best.” 問3  内容説明 本文によれば、「私」が校長の挨拶で思い出したことを、40 字以内で説明せよ。 問4  要旨 本文全体の主旨を80〜100 字程度の日本語でまとめよ。
解答例を開く
問1  1. T  2. T  3. F  4. T 問2  私たちはそれぞれ自分なりの仕方で、最善を尽くしたという気高い名誉を抱えていくだろう。 問3  かつて自分たちが祝うことを敢えて願った小さな夢の数々。(25 字) 問4  卒業式の朝の物語。私は4 年間を思い出し、母の抱擁に感謝する。校長の挨拶は名誉を讃え、友 人とささやかな笑みを交わす。喜びと別れの溜息が交ざる一日となり、卒業は人生の静かな始まりと 位置づけられる。
全文和訳を開く

卒業式の朝、私は寝室の床に座り、この4 年間の大切な瞬間を一つひとつ思い出そうとした。いくつかの記憶はあまりに貴重で、どう抱えていればよいのか、もう忘れかけているほどだった。母は一度ノックをし、私を長く抱きしめた。私はまだ言葉にできない仕方で感謝を感じていた――まるで自分自身の一部にお別れを言っているかのようだった。

式典では、校長の挨拶が、卒業生一人ひとりの名前を讃え始めた。彼の声は気高く、急がずに語られ、かつて私たちが祝うことを敢えて願った小さな夢を思い出させた。わずか4 年でこれだけのことを成し遂げるのは、いつも可能に思えていたわけではない。私は立ち止まり、自分の野心をどれほどしばしばふつうの雑音に消えそうにさせたかを振り返った。講堂の向こうで、私は友人と目が合った。彼は何か穏やかなことをささやき、私たちはささやかな笑みを交わした。それを私たちはどちらも、これから何年も大切にし続けるだろう。私はその日が容易だったふりはしなかった。すべての別れに静かな溜息があり、昼食では未来について話すために、長く立ち止まる必要があった。

しかし、本物の喜びもまた呼び覚まされていた。私は長い夜々を勉強に捧げており、今日の落ち着いたお祝いは、目を見張るほど素朴な報いだった。

ガウンを脱ぎ、カメラがしまわれると、同級生と私は散っていった。それぞれが自分なりの仕方で、最善を尽くしたという気高い名誉を抱えていくだろう。卒業は結局、まだ書かれていない長い人生の、ほんの一つの静かな始まりにすぎないのである。