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共通テスト古文 対策講座
第8講
敬語①
尊敬語 vs 謙譲語
見分けて訳せれば、主語の判定が楽になる
福岡先生 15分で得点源に変える

今日のゴール

Goals of this lecture

01
尊敬語と謙譲語を識別
敬意の方向(動作主 vs 動作の受け手)を見抜く
02
本動詞と補助動詞を区別
単独 or 動詞の下につく の違いで意味が変わる
03
頻出の敬語10語を暗記
「給ふ」「奉る」「申す」など、確実に出る語を押さえる
結 論

敬語は「誰に敬意を払うか」で見分ける

尊敬語
動作主への敬意
「給ふ」「おはす」「のたまふ」など
訳:〜なさる / お〜になる
謙譲語
動作の受け手への敬意
「奉る」「申す」「参る」など
訳:〜申し上げる / お〜する
尊敬語 ── 主要な5語

動作主(主語)への敬意

給ふ
「〜なさる」── 最頻出。「お与えになる」「〜なさる」
おはす / おはします
「いらっしゃる」── 「あり」「行く」の尊敬
のたまふ / のたまはす
「おっしゃる」── 「言ふ」の尊敬
御覧ず
「ご覧になる」── 「見る」の尊敬
聞こしめす
「お聞きになる」── 「聞く」の尊敬
謙譲語 ── 主要な5語

動作の受け手(目的語)への敬意

奉る
「〜申し上げる」「差し上げる」── 「与ふ」の謙譲
申す / 申し上ぐ
「申し上げる」── 「言ふ」の謙譲
参る
「参上する」── 「行く」の謙譲
侍り / 候ふ
「お仕えする」「あります」── 丁寧語も兼ねる
賜はる
「いただく」── 「もらふ」の謙譲
使い方の核心 ①

尊敬の「給ふ」

例 文
帝、御簾の内にて聞き給ふ。
【訳】 帝が御簾の中でお聞きになる。── 動作主「帝」への敬意=尊敬
使い方の核心
  • 「給ふ」が動詞の下につくと尊敬の補助動詞
  • 主語が高貴な人物(帝・中宮・大臣)なら必ず尊敬
  • 訳は「〜なさる」「お〜になる」
使い方の核心 ②

謙譲の「奉る」

例 文
中将、文を奉る。
【訳】 中将が手紙を差し上げる。── 動作の受け手(=渡される側)への敬意=謙譲
使い方の核心
  • 「奉る」が動詞の下につくと謙譲の補助動詞
  • 「与ふ」「届ける」の意味を含む動作で使われやすい
  • 訳は「〜申し上げる」「お〜する」
注意 ①

「給ふ」── 実は2種類ある

尊敬の「給ふ」(四段活用) と、謙譲の「給ふ」(下二段活用) が存在
活用の種類で意味がまったく違う ── 共通テストで超頻出の罠
見分け方
1
四段活用
「給は・給ひ・給ふ・給ふ・給へ・給へ」=尊敬
2
下二段活用
「給へ・給へ・給ふ・給ふる・給ふれ・給へよ」=謙譲
3
頻度
下二段の謙譲「給ふ」は会話文でのみ使われる
本動詞 vs 補助動詞

単独で使われるか、動詞の下に付くかで判別

本動詞
単独で使われる ── 例:「文を奉る」の「奉る」=差し上げる
補助動詞
動詞の下に付く ── 例:「聞き給ふ」の「給ふ」=尊敬の補助
判別法
前に動詞があれば補助動詞、なければ本動詞
実戦演習

共通テスト形式で確認

問 「中宮、御文を上に奉り給ふ」の傍線部「奉り給ふ」の説明として最も適当なものを選べ。
奉る(尊敬)+ 給ふ(尊敬)
奉る(謙譲)+ 給ふ(尊敬)◀ 正解
奉る(尊敬)+ 給ふ(謙譲)
奉る(謙譲)+ 給ふ(謙譲)
「奉る」は「上に差し上げる」=動作の受け手「上」への敬意=謙譲。「給ふ」は中宮(動作主)への敬意=尊敬。二重敬語で「中宮が上にお手紙を差し上げなさる」。

本日のチェックリスト

反射で答えられたら習得完了

尊敬語は誰への敬意?
動作主(主語)
謙譲語は誰への敬意?
動作の受け手
「給ふ」の四段活用は?
尊敬
「給ふ」の下二段活用は?
謙譲
「奉る」「申す」「参る」は?
謙譲語
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第9講
敬語② ── 主語を補う技術
誰が誰にしているか
予 習 の す す め
今日学んだ「敬意の方向」で、省略された主語が見えるようになります。