← → キーで移動
共通テスト古文 対策講座
第17講
古文の主語判定
総合演習
敬語・接続・心情語をフル活用する
福岡先生 15分で得点源に変える

今日のゴール

Goals of this lecture

01
省略された主語を補う技術
全文の中で誰が動作主かを機械的に判定
02
接続助詞での主語変化を見抜く
「ば」「ど」「て」での主語の継続/変更パターン
03
総合演習で実戦力を養成
実際の本文で主語判定の練習をする
結 論

主語判定は「3つのサイン」で機械化

敬語サイン
敬語のレベルで身分を判定
尊敬=動作主の身分 / 謙譲=受け手の身分
訳:身分から人物を特定
接続サイン
接続助詞で主語の継続を判定
「て」=主語継続 / 「ば」「を」=主語変化の可能性
訳:接続で主語の流れを追跡
Rule 1 ── 敬語サインを最優先

敬語のレベルで動作主の身分が決まる

二重敬語
「のたまはせ給ふ」── 帝・中宮・院など最高位
尊敬+尊敬
通常の尊敬語+補助動詞 ── 貴族・身分の高い人
謙譲語のみ
「申す」「奉る」── 動作主は身分が低い・対等
Rule 2 ── 接続助詞のサイン

「て」「ば」「を」「に」で主語の流れを判定

「て」「で」
主語継続 ── 「行きて見れば」=主語は同じ
「ば」「ども」
主語変化の可能性 ── 文脈で判断
「を」「に」(接続)
主語変化のシグナル ── 「〜を見て」では別の人物
実戦演習 ①

敬語サインで主語を補う

例 文
御文を給はせて、( )読み給ふ。
【訳】 (帝が)お手紙をお下しになって、(中宮が)お読みになる。── 「給はせ」=帝(高敬意)/「給ふ」=中宮(尊敬)
使い方の核心
  • 「給はせ」は二重敬語 → 帝・最高位
  • 「給ふ」は普通の尊敬 → 中宮級
  • 敬語のレベルで動作主が違うと判定できる
実戦演習 ②

接続助詞のサインで判定

例 文
中将、御文を奉りて、宮、いとうつくしげに読み給ふ。
【訳】 中将が手紙を差し上げて、宮はたいそう美しげに(お手紙を)お読みになる。── 「て」で主語継続だが、新たな主語「宮」が明示
使い方の核心
  • 「奉りて」=「中将」の動作の継続
  • 「、宮」と新主語が登場 → 主語変化
  • 明示的な主語が出れば、それ以降の主語はそちらに変わる
Rule 3 ── 心情語サイン

感情を持つのは「人」 ── 主語特定の手がかり

「思ふ」「歎く」「うし」など心情語の主体は人物
誰がその感情を抱いているかを文脈から判断
心情語の主語特定
1
前後の文脈
直前に出てきた人物が主語の候補
2
敬語の有無
敬語があれば貴人、なければ作者
3
和歌の中
和歌の心情の主は詠み手
総合チェックリスト ── 主語判定5ステップ

迷ったら、上から順にチェック

Step 1
敬語があるか? → 動作主の身分を絞る
Step 2
接続助詞(て/ば/を)で主語の流れを確認
Step 3
明示的な主語(人物名)が出ていないか
Step 4
心情語があれば人物=主語の候補
Step 5
前後の文脈で最も自然な人物を選ぶ
実戦演習

共通テスト形式で確認

問 「君、御文を奉らせ給ひて、( )返事し奉る」の( )に入る主語として最も適当なものを選べ。
返事を書く女◀ 正解
作者
中将
「奉らせ給ふ」=君が(高貴な相手に)差し上げ申し上げる(二重敬語の謙譲)。返事を「奉る」は「君」に差し上げる動作=主語は「返事を書く相手の女」。

本日のチェックリスト

反射で答えられたら習得完了

二重敬語の動作主は?
帝・中宮級
謙譲語があれば受け手は?
身分の高い人
「て」での主語の関係は?
原則継続
「を」(接続)での主語は?
変化の可能性
主語判定の最終手段は?
文脈で自然な人物
NEXT
第18講
文学史 ── 物語・日記・随筆
出題作品の系譜
予 習 の す す め
源氏物語・枕草子・徒然草など、主要作品の成立年と特徴を整理します。