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共通テスト古文 対策講座
第11講
和歌の修辞
掛詞・縁語・序詞
和歌解釈で2点を確実に取る技法
福岡先生 15分で得点源に変える

今日のゴール

Goals of this lecture

01
掛詞を見抜く
1語に2つの意味 ── 平仮名にして音で判断
02
縁語の連鎖を追う
1つの語から関連語が次々と呼び出される構造を理解
03
序詞を読み飛ばす
情景描写の前置きを見抜き、本題の比喩に集中
結 論

和歌の修辞は3つで全て

掛詞
1語2意味
「松」=「待つ」/「秋」=「飽き」など同音異義
訳:両方の意味で訳す
縁語・序詞
連想と前置き
縁語=関連語の連鎖 / 序詞=本題への導入
訳:本題に集中
掛詞 ── 頻出の20語

覚えておくと和歌の半分は解ける

自然系
松=待つ / 秋=飽き / 山=止まむ / 海松=見る
動作系
経=日 / 出る=出づ・出産 / 振る=降る / 寝る=寝・練る
感情系
憂し=浮き / 思ふ=思い・面 / 文=踏み / 涙=波
使い方の核心 ①

掛詞 ── 1語に2つの意味

例 文
立ち別れ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む
【訳】 別れて去って「いなば(因幡)の国 / 行ってしまうなら」の山の峰に生える「まつ(松 / 待つ)」と聞いたら、今すぐ帰ってこよう。── 在原行平
使い方の核心
  • 「いなば」=「因幡(国名)」と「往なば(行ってしまうなら)」の掛詞
  • 「まつ」=「松(木の名)」と「待つ(動作)」の掛詞
  • 平仮名にして音から両方の意味を引き出すのがコツ
縁語 ── 連想の連鎖

1つの語から関連語が呼び出される構造

海の縁語
波 / 浦 / 渚 / 沖 / 潮 / 釣り ── 海から連想される語群
糸の縁語
より / ほつる / 絶ゆ / つむぐ ── 糸の動作・状態の語群
見抜き方
和歌中に同じテーマの語が複数=縁語の可能性
使い方の核心 ②

縁語 ── 同テーマの語の連鎖

例 文
袖ひちて むすびし水の こほれるを 春立つけふの 風やとくらむ
【訳】 袖を濡らして手で結んで(掬って)飲んだ水が、凍っているのを、春の今日吹く風が解かしているだろうか。── 紀貫之
使い方の核心
  • 「むすび」「こほれる」「とく」── 水の状態の縁語連鎖
  • 「結ぶ・凍る・解く」と水の変化を3段階で表現
  • 縁語を見抜けば、和歌のテーマ(春の到来)が一目で分かる
序詞 ── 本題への前置き

5音以上の長さで、本題の比喩や音をつなぐ

「あしひきの 山鳥の尾の しだり尾の」=長い夜の比喩(序詞)
本題は「ながながし夜を ひとりかも寝む」── 序詞は読み飛ばしてOK
序詞の3つの特徴
1
5音以上
枕詞(5音)より長く、情景描写を含む
2
本題と接続
「〜の」「〜のごと」で本題につながる
3
情景→比喩
自然の景色が、心情の比喩になる
枕詞 ── 知っておけば見抜ける

決まった語に冠する短い修辞

あしひきの
山・峰にかかる ── 例:あしひきの山鳥
ひさかたの
光・天・空・雲にかかる ── 例:ひさかたの光
たらちねの
母にかかる ── 例:たらちねの母
ぬばたまの
黒・夜・闇にかかる ── 例:ぬばたまの夜
実戦演習

共通テスト形式で確認

問 「君がため 春の野に出でて 若菜つむ わが衣手に 雪は降りつつ」で「衣手」と縁語の関係にある語として最も適当なものを選べ。
若菜
降り◀ 正解
「衣手(袖)」の縁語は「降り(振り)」── 袖は振るもの、雪は降るもの、で掛詞的に響き合う。光孝天皇の有名な和歌。

本日のチェックリスト

反射で答えられたら習得完了

掛詞とは?
1語2意味(同音異義)
縁語とは?
関連語の連鎖
序詞とは?
本題への前置き(5音以上)
「いなば」の掛詞は?
因幡・往なば
「まつ」の掛詞は?
松・待つ
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予 習 の す す め
今までの全文法+古文常識+和歌修辞を総動員。最後の仕上げです。